欧羅巴の英語たち②
しかし!
3週間在宅勤務を続けるうち、図太い神経を持ち合わせている私もこれはまずいと思う事態が発生している。
今やヨーロッパ中で外出規制がかかり、国や地域、勤めている部署で多少の差はあれどオフィスで働いていたほとんどの同僚が在宅勤務に切り替えている。出張なんてもってのほかといった状況で、当然コミュニケーションはメールか電話に限られる。予定されていた会議も全てオンラインとなった。
このオンライン会議が、思った以上に辛い。
議論されていることがシンプルにわからないのだ。
今までも会議の一部参加者をオンラインで繋いだことはあったが、それはあくまでも一部。議論をしているほとんどの人間がその場に座り、顔と手振りを見ながら話を聞くことができた。しかし全員がオンラインで参加し、何時間もじっとイヤホンから流れてくる英語を理解しようとするのはほぼ初めて。もちろん音質の問題や通信状況の悪さといった、私のお粗末な英語力とは別に因るところもあるのだが、それにしてもわからない。
フランス語訛りでぼそぼそ喋られると殺意さえ感じる。
スペイン語訛りは頻繁に挿入してくるエーしか頭に入ってこない。
素晴らしいキングスイングリッシュはそのリズムに気を取られ内容が全く理解できない。
唯一息がつけるのは田舎臭いドイツ語訛りの英語が流れているときだけ。
それを延々と繰り返すこと、半日。
勘弁してくれ。