ウィーンのカフェ文化

カフェに座るとき、前に座っていた人が頼んだものがまだ置いてある状態のテーブルに座るか、否か。
これは私が初めてウィーンに来てウィーン人の友達とカフェに座ったときに受けたカルチャーショックだった。
気楽なカフェで、店員の案内なく空いているテーブルに座るのはいい。しかしまだ片付けられていないテーブルに座るのはなんだかすごく無理矢理な感じがして、さらに店員にストレスをかけるようで居心地が悪かった。

今となっては混んでいるカフェに入り、片付けられてはいないが空いているテーブルに座ることを全く躊躇しない。このくらいの無理矢理感は出していかないと店員に無視され続けるかもしれないし(そしてその可能性はかなり高い)、これくらいのことでストレスを感じるような、接客態度が出来た店員など滅多にいないという現実に気づいたからだ。特にウィーンでは、カフェにおけるウエイターの地位がとんでもなく高く、世界は彼らを中心に周っているといっても過言ではない。彼らの采配に客が口を出すことはできないし、それで客が長時間待たされようが、ビールがぬるくなろうが、そんなことは彼らの知ったことではないのだ。

「お客様は神様」の国日本から、とんでもないところに来たものである。