ウィーンで技能教習①

今となっては遠い昔に感じるが、この前の9月、私は無事に免許取得のための学科試験をクリアした。その際技能教習の予約を11月に入れていたのだが、ロックダウンのため延び延びになってしまっていた。
現在もオーストリアは第3ロックダウンの真っ只中。2月まで教習は始まらないだろうと高をくくっていた私にもたらされた情報はしかし、3回目のロックダウンにしてなぜか技能教習は開催オーケー、というものだった。レストランもヘアサロンもネイルスタジオも閉鎖中なのに...誠にもって基準が不可解である。
そんなわけで、全く心の準備等が出来ないまま今日初めて車の運転を試みることになった。

ちなみに、日本での免許取得はオートマが主流となっているようだが、オーストリアでは(というより恐らくヨーロッパ全土で言えることだと思う)マニュアル車がスタンダードだ。オートマ限定免許証も存在はするらしいのだが、それは教習において、本当に、どうしても、マニュアル車の操作が難しいと本人と教習所のスタッフが判断した場合のみ選択肢として提案されるらしく、基本的にはマニュアルで取る。

私が通う教習所はまちなかに学科教習用の教室とオフィスがあり、加えて郊外にも敷地がある。初めての教習はもちろんその郊外にある教習所でやるのかと思ったら、教官に連れられて到着した先は普通の一般駐車場。え、ここでやるの?いくら広いとは言っても普通に車走ってますけど。という文句(あらためて考えると正当な抗議だと思うのだが)を垂れる間もなく、教習は始まった。

初めての教習の内容は以下の通り
・車の目視点検
・運転席の調整
・発進と停止(バック操作含む)
・発進と停止(+アクセル)
・ハンドル操作
・左折、右折
・ギア変換(時速20㌔くらいギア2まで)

...盛ってくるね!

ハンドル操作からは、そこら中に一般車が普通に駐車してあり、時たま後ろから一般車が普通に走ってくる状況で、更に停車中の路線バスの横を走ったりなんかもしなきゃいけないまごうことなき普通の一般駐車場をいきなり走らされた。左折したり横断歩道で止まったり右寄せで一時停車したりギアチャンジしたり犬を連れて道路を横切る散歩中の人をやりすごしたりしながら3周くらいはしただろうか。

...スパルタだな!!

状況に流されることにかけてはそれなりに自信のあった(?)私だが、想像と現実のギャップに久しぶりに驚いた。
事前に情報収集を怠ったせいもあるかもしれない。しかし、集めてみたところでこんな状況はさすがに想定できなかったであろうと思う。

車の前知識が皆無の私は初めての運転で相当テンパっていたのだが、教官は「君、全然エンストしないね~。次回は帰り運転してみる?」と、超ゆるい発言で私を更に驚かせてくれた。

ウィーン、恐るべし。